初めまして、アンプの設計・制作をしている寂夜と申します。(元、某社の設計者)現在QuadUオリジナル回路を参考に、EF94/6AU6x2本によるQuad型位相反転初段→12BH7Aによる出力管直結カソードフォロア→807ビーム管接続PPの構成によるA2級〜AB2級のアンプを設計しています。Spiceシュミレータでは出力トランスにSpiceデータの有るTAMURA社F-783(5.5kΩPP・50W/30Hz・250mA/20mA)を適用し、送信管807のG1電力駆動により、450V電源電圧・807プレート損失73%にて40Wの最大出力が得られ、各部に十分な設計余裕を持つ回路と定数が出来ております。古い807を無理なく長く使う為のアンプです。しかしながら裸特性の向上とKNFの安定な実施を考え、F-783に代えて御社のRX-80-5かSANSUI社のSW-50-5への変更を検討しています(現時点の相場的にはOTP2台で4万円程度と同等です)。つきましては下記についてご回答頂ければ幸いです。1. RX-50-5のSpiceデータはありますか?2. Rコアの特性上、不平衡電流には弱いと思われますが、F-783及びSW-50-5に比べて、不平衡電流に対する特性劣化度は如何でしょうか?3. 設計では最大出力時にPP間で1.350Vもの信号ピーク電圧が印加されます(DC印加電圧は450Vです)。数十年に渡る十二分な長期運用を考慮した場合RX-80-5の絶縁耐力(特に巻線上近いと思わるPP間対KNF間)は問題ありませんか?尚、オーディオアナライザ・広帯域レベル計・ストレージオシロ・DMM等の計測器は在りますので、位相補償や増幅度定数等の調整は可能です。(余談)それにしてもQuadUのNFB・PFBを組合せつつ、シンプルな回路に仕立て上げた技術者は立派ですね。OPTも相当に検討を重ねた代物なんでしょうね。EF86→EF94/6AU6へのパワーアップ(330Vppの低インピーダンス出力)も一筋縄では行きませんでした(笑;
寂夜 様、今日は。ソフトン善本です。お問い合わせありがとうございます。>つきましては下記についてご回答頂ければ幸いです。>1. RX-50-5のSpiceデータはありますか?Spiceデータはご提供いたしておりません。出力トランスのSpice結果は現実との乖離が大きいと感じております。高域に関しては、大型OPTは100kHz以上では個体差が大きくSpice結果と一致いたしません。Spiceで10kHz方形波を綺麗に整える位相補正定数を厳選いたしても現実には同形状にならない場合がございます。低域に関しては信号レベルと不平衡電流量により一次インダクタンスが大きく変動いたすので、Spice結果とは一致いたしません。>2. Rコアの特性上、不平衡電流には弱いと思われますが、F-783及びSW-50-5に比べて、不平衡電流に対する特性劣化度は如何でしょうか?PP用OPTの場合、コアが高性能なほど不平衡電流による1次インダクタンス変動が大きくなります。RX-80-5は高性能コアの為、完全に平衡ならば1次インダクタンスは1000H近くに達します。不平衡電流の増加と共に1次インダクタンスは減少いたしますが、4mAまでなら100Hは得られます。私見ですが不平衡電流4mA以内のご使用をお勧めいたします。不平衡電流量と1次インダクタンスの特性図はRX-80-5ホームページの3.1次インダクタンス特性をご参照下さい。http://softone.a.la9.jp/RX80-5/RX80-5.htm>3. 設計では最大出力時にPP間で1.350Vもの信号ピーク電圧が印加されます(DC印加電圧は450Vです)。数十年に渡る十二分な長期運用を考慮した場合RX-80-5の絶縁耐力(特に巻線上近いと思わるPP間対KNF間)は問題ありませんか?1次:2次、3次間耐圧は2KVAC、1次PP間最大電圧は1KVACです。最大出力時にPP間で1.350Vピークであれば短時間耐圧は大丈夫です。しかしながら、数十年に渡る耐圧維持は検証いたしておりません。>尚、オーディオアナライザ・広帯域レベル計・ストレージオシロ・DMM等の計測器は在りますので、位相補償や増幅度定数等の調整は可能です。周波数特性と位相保障、負帰還余裕の検証にはネットワークアナライザ(FRA)が最も有効だと感じております。宜しくお願い申し上げます。ありがとうございます。
すいません、誤記訂正です。(誤)1. RX-50-5のSpiceデータはありますか?(正)1. RX-80-5のSpiceデータはありますか?
ソフトン 善本様早速のご回答有難うございます。Spiceデータと実機データの乖離、承知致しました。高域に関しては仰る通りで、送信管807の場合も局部発振などSpiceでは見付かりませんね。低域の不平衡電流:インダクタンスの件は仰る通りですね。信号レベルでの特性変化はコアのヒステリシス特性の影響でしょうか?(透磁率と最大磁束密度とヒステリシスの関係でコア材質は難しそうです)> PP用OPTの場合、コアが高性能なほど不平衡電流による1次インダクタンス変動が大きくなります。RX-80-5は高性能コアの為、完全に平衡ならば1次インダクタンスは1000H近くに達します。この特性は承知しております。敢えてインダクタンスの絶対値を抑えて不平衡電流耐性を上げたOPTもございますね。それにしても1000Hとは・・・異様に大きい。> 不平衡電流の増加と共に1次インダクタンスは減少いたしますが、4mAまでなら100Hは得られます。私見ですが不平衡電流4mA以内のご使用をお勧めいたします。設計上は兎も角、実運用上はDCバランスを完全に取って「無信号時の不平衡電流0mA」にしたとしても、音楽再生時にはPPの素子の個体差で「確実に不平衡電流は流れる」訳です。ペアチューブとて全特性範囲で全く同じEp-Ip-Eg1特性では無い訳ですから・・・。現実的に無信号時不平衡電流0mAに調整したとしても、全出力範囲で不平衡電流4mA以内と言うのはかなり厳しいように思います(今回はIpo=43mA、Ip-min=0mA, Ip-Max=265mAの設計です)。> 1次:2次、3次間耐圧は2KVAC、1次PP間最大電圧は1KVACです。最大出力時にPP間で1.350Vピークであれば短時間耐圧は大丈夫です。しかしながら、数十年に渡る耐圧維持は検証いたしておりません。1次PP間耐圧が問題ですね。OPTの定格容量が80WとしてPP間5kΩなら、80W入力時のPP間電圧はE=√(PxZ)=√(80x5,000)=632.5Vrms=895Vop=1,789Vppかと思います、1次PP巻線の開始点〜終了点間の耐圧は半サイクルで考えれば良いので(1サイクル内のプラスピーク点とマイナスピーク点は時間的に重ならない)、この耐圧が1kVACなら仕様内運用になるのではありませんか?。数十年の耐圧維持は絶縁材の特性と耐環境劣化性によりますから、線材絶縁被覆とレジン等の絶縁物次第ですね。電力用トランスの高圧絶縁冷却油に浸した構造はこの点では大変有利ですがOPTでは大袈裟に過ぎますから。> 周波数特性と位相保障、負帰還余裕の検証にはネットワークアナライザ(FRA)が最も有効だと感じております。はい、所有のオーディオアナライザは、ゲイン・位相差・歪率が同時に計れます。でもアンプの局部発振や超高域発振等は結局は400MHz帯域オシロスコープや広帯域レベル計でないと見付けれない事が有りますね。OPT単体ならFRAだけで十分だと思いますが。実際に6L6GC-PP/KNFで定格出力45Wの自社製アンプに搭載されて1965年から多数販売され、未だにLUXのOYシリーズOPT(特性重視)の様な断線や巻線短絡の故障を聞かないSANSUIのSW-50-5(信頼性重視、永久保証をうたっていました)の方が、この種のアンプには好適なのかも知れませんね・・・・有難うございました。
寂夜 様、今日は。ソフトン善本です。不平衡電流量への耐性を重視なされる場合は弊社40W型シングルOPT RW-40-5のプシュプル回路使用をお勧めいたします。コアにギャップを設けておりますので不平衡電流量を全く考慮しなくて良い利点があります。弊社RW-40-5ホームページの ●RW-40-5のプッシュプル出力トランスとしての使用をご参照頂ければ幸いです。http://softone.a.la9.jp/RW40-5/RW40-5.htm宜しくお願い申し上げます。ありがとうございます。
こんにちは。最近ヘッドホンで聞くことが多くなり、久しぶりに御社HPにお邪魔しましたが、Model9が無くなっていました。ディスコンになったものと思いますが、再生産やVer. upの予定はありませんでしょうか。(Model10は私には機能過剰ですので。)中古などは扱ってないですよね。。。念のため確認させてください。
Michi様、今日は。ソフトン善本です。お問い合わせありがとうございます。Model9はご注文がなくなった為、製造を終了させて頂きました。今の処、再生産やバージョンアップの予定はございません。弊社は古物商免許を持ちませんので中古品の販売は行えません。宜しくお願い申し上げます。ありがとうございます。
ソフトン 善本様いつもお世話になっております。早々にご回答いただき、ありがとうございました。Model9の製造終了&バージョンアップ等の予定がないこと承知しました。今後も宜しくお願いいたします。
明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願い致します。2023年元旦 ソフトン 善本
RW-20等をパラレルシングル対応のため2個並列で使用することは可能でしょうか。可能ならば出力管・OPT共々並列に接続、あるいはそれぞれの出力管とOPTで2つのシングル出力段とし入力(g1)とOPT2次側のみ並列とした方が良いでしょうか? 動作はするが好ましくない使用法でしょうか?
Taka様、今日は。ソフトン善本です。お問い合わせありがとうございます。OPTの並列使用は可能でございますが、既にRW-20を4個お持ちの場合以外は、40W型のOPTを新たにご調達頂くのが良策と思います。並列使用頂く場合は出力管のバラつきを考慮いたし、OPT一次側までは単独接続し、OPT二次側のみの並列接続をお勧めいたします。
ソフトン善本さま ご教授ありがとうございました。年明けから設計・製作予定です。良いお年を。
はじめまして Model8 300B購入検討しております。@電源コード、真空管は付属されておりますかAプリアンプ使わず本品単体でプリメインアンプとして使用可能でしょうかB受注生産でしょうか又納期上記ご回答お願い致します。
中森 祥訓 様、今日は。ソフトン善本です。お問い合わせありがとうございます。>@電源コード、真空管は付属されておりますかはい、電源コード・真空管共に付属いたしております。>Aプリアンプ使わず本品単体でプリメインアンプとして使用可能でしょうか音量調節はありますが、入力選択はございません。プリメインアンプとして使いずらいと思います。>B受注生産でしょうか又納期通常生産品ではございますが、零細企業ですので製造数が少なく在庫切れの場合もございます。在庫切れの場合1か月位お待ちいただいております。宜しくお願い申し上げます。ありがとうございます。
善本様ご回答ありがとうございました。現行プレイヤー➡CDレコーダー➡アンプの一系統で入力は問題無いです。ヒーター回路が特殊な設計であるが故、トラブルの多いとの意見もあるようですが改良等されていますでしょうか?
中森 祥訓 様、今日は。ソフトン善本です。お問い合わせありがとうございます。>ヒーター回路が特殊な設計であるが故、トラブルの多いとの意見もあるようですが改良等されていますでしょうか?フィラメントはDC/DCコンバータを用いた安定化電源で点火いたしております。安定化電源ですので均一で低雑音な点火ができます。販売開始以降、改良はいたしておりませんが、DC/DCコンバータICは製造メーカー様から後継品が出ましたので後継品に代わっております。宜しくお願い申し上げます。ありがとうございます。
ここ2年ほどPLT-1+18kΩ(教えて頂きありがとうございました)にてDL103 を楽しんでおります。が、やはりSPUが気になり始めて仕方ありません。現使用ケースが小さいため、新たに10Ω専用で昇圧トランスを製作しようかと考えておりましたところ、図書館で借りた古いMJ雑誌に”インピーダンス完全マッチングMT-1/アライラボ”の記事があり、評論家の方が”インピーダンスマッチングがいかに素晴らしいか、、”と書かれておりました。本当にSPが消えるなら、、、と妄想しております。で、2点教えてください。 1)SPUの2ΩとPLT-1の10Ωで実際どのくらいの影響があるのでしょうか?。2Ω負荷での特性表とかありますでしょうか? 2)出力側の18kΩはそのままでの設定でよろしいでしょうか?以上、ご教授お願いします。
しんちゃん様、今日は。ソフトン善本です。お問い合わせありがとうございます。カートリッジのインピーダンスと負荷抵抗値をどのようにするかは様々なご意見がございます。当該評論家様は完全に一致させるのをご推奨しておられますし、DENON様はDL-103(40Ω)の負荷抵抗値に100Ωを推奨されておられます。論理的に(計算で)確定できる最適値はないのかもしれません。ご自身にてご視聴の上、ご判断をお勧めいたします。弊社PLT-1は一次並列接続にて10Ωで設計させて頂いておりますので、SPUを完全マッチングで受けるには適材ではございません。アライラボ様より必要な部材のご入手をお勧めいたします。宜しくお願い申し上げます。ありがとうございます。
はじめまして。ADALM2000用のフロントボックスを出す予定はございませんか? AnalogDiscovery2は良い値段なので、もう少し手軽なものがあると嬉しいです。ピン配は同じの様ですが、安い分、14bit→12bit等のスペックダウンはあるみたいですね。
池田様、今日は。ソフトン善本です。お問い合わせありがとうございます。AnalogDiscovery2同様の総合測定器は数種類あるようでございます。残念なことにAnalogDiscovery用のフロントボックスの販売は順調ではございません。弊社が想定した程は皆さま必要とされていないようでございます。現状では他機種用のフロントボックスの製品化は困難でございます。宜しくお願い申し上げます。ありがとうございます。
御社のmodel7とmodel8の300bバージョンに興味が有ります。どちらの方が濃い音が出るでしょうか?真空管アンプはミンダね300bを使用してますがあまり満足してません。
鵜飼 英行 様、今日は。 ソフトン善本です。真空管アンプらしい温かく潤いのある音の傾向が強いのはModel8-300Bでございます。Model7は真空管アンプの音ではありますが、同時に広帯域感や分解能感等一般的なHiFiアンプの音質も備えています。ご検討の程、宜しくお願い申し上げます。
善本様返信ありがとうございます。model8 300bを聴いてみたいのですが、視聴機をお借りすることは可能でしょうか?また、購入した後、真空管を交換することも考えているのですが、簡単に出来ますか。交換してみたい真空管はps プスパンやゴールドライオンです。
鵜飼 英行 様ご試聴用のお貸出しをさせて頂きます。お貸出し期間は1週間、ご返送用宅急便代のみご負担にてお願い申し上げます。メールにて貸出しをご下命下さい。真空管は無調整にてご交換頂けますが、あくまでもユーザー様責任にてご交換下さい。プスバン様300Bは弊社にて使用いたしました実績がございます。ゴールドライオン様は弊社では試しておりません。必ずWE300B完全互換の300Bをご使用下さい。改造版や強化版とうたった完全互換でない300Bはお勧めいたしません。
HiFiMan社製HE400se、HE400i-2020は低価格ながら優れた音質の平面駆動型ヘッドホンです。さらに、左右のユニットより3.5mmプラグにて信号線が引き出されていますので、バランス駆動に適した構造をしています。HiFiMan社製HE400se、HE400i-2020用バランスケーブルを自作しましたので製作方法を下記ページに纏めました。http://yoshimoto.a.la9.jp/HE400cable/HE400cable.htm
時々お世話になっております。 RX−40−5についてお尋ねします。昨年4月頃購入させていただきましたRX−40−5を使用してアンプを製作しましたが、以前(10年以上前)に購入しましたRX−40−5と比べ特性と音がかなり異なりました。色々調べましたところ、以前購入の物と比べ、トランス内部のコイルがきちんと巻かれてておらず、巻き線間に隙間(2o位)がありました。 そこで、以下の点につきまして教えていただければ幸いです。1.以前の物と比べ仕様、材質変更があったのでしょうか。2.再度RX−40−5を2個購入したいのですが、以前購入品 と同一の品が入手可能でしょうか。 今回購入品 NO.0871 と 0872です 以前購入品 NOなし K9C3SK表記のみと NO.0697 K4D3SK表記です。 以上、宜しくお願いいたします。
アルプス様、今日は。ソフトン善本です。RX-40-5に不良が生じ誠に申し訳ございません。深くお詫び申し上げます。>1.以前の物と比べ仕様、材質変更があったのでしょうか仕様の変更はございません。材質は一部変更されております。CE及びROHS等の規制強化や調達事情により材料が変更される場合はございます。>2.再度RX−40−5を2個購入したいのですが、以前購入品 >と同一の品が入手可能でしょうか。具体的な特性の差異をお知らせ頂ければ、在庫品に同一特性の品があるか調べご提供させて頂きます。同一特性品が無い場合は全額をご返金させて頂きます。この度は不良を起こし誠に申し訳ございません。再度深くお詫び申し上げます。宜しくお願い申し上げます。
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