写真右は裸の状態のマッチングトランスです、製品は左の角型化粧ケース入りです。
真空管及びSITのSEPP出力段は出力トランスを用いないOTLアンプに採用されてまいりました。しかしインピーダンスの低いスピーカを直接駆動しなければならず、十分な性能を発揮できませんでした。マッチングトランスは4Ω〜16Ωのスピーカの低インピーダンスを72Ω又は128Ωに変換しSEPPアンプを理想的に動作させます。
マッチングトランスはSEPPアンプの
を実現いたします。
さらに、お手持ちの真空管式OTLアンプとスピーカの間に用いて頂けば、スピーカを直接駆動するのに比べ、大幅に出力が向上いたします。又真空管式OTLアンプで4Ωスピーカを鳴らす事も可能となります。
下図はSEPP又はOTLアンプと8Ωスピーカへの接続図です。ご使用スピーカが8Ωでない場合はスピーカのインピーダンス値と同じ端子に接続します。
機種 | MT-72 | MT-128 |
出力容量 | 56W/30Hz | 50W/30Hz |
インピーダンス | 72Ω:4、8、16Ω | 128Ω:4、8、16Ω |
周波数帯域 | 5Hz〜70KHz -1db、1W、8Ω端子 | 5Hz〜50KHz -1db、1W、8Ω端子 |
インダクタンス(H) | 最小7H、最大10H、 72Ω端子 | 最小13H、最大18H 、 128Ω端子 |
許容重畳DC電流 | 20mA | 20mA |
電力損失 | -0.34db、8Ω端子 | -0.4db、8Ω端子 |
使用カットコア | CS-20 2個 | |
形状 | 角型ケース入り、タンゴ互換取り付け寸法 | |
引き出し形式 | 内部端子式 | |
外形寸法、重量圧 | W:83mm, D:78mm, H:107mm, 1.7Kg | |
価格 | 9,800円(税込10,290円)、送料別 |
MT-72は5Hz〜70KHz −1db、 MT-128は5Hz〜50KHz −1dbの広帯域と暴れのない素直な高域減衰特性が特徴です。最も良く使用される8Ω端子の特性を優先させた構造をしており、周波数特性の良好度は8Ω端子、16Ω端子、4Ω端子の順となります。
72Ω端子及び128Ω端子に50KHzの方形波入力を与えた時の8Ω端子の出力波形です。(8Ω負荷抵抗接続)
上が入力波形、下が出力波形です。高い周波数まで良好な波形を維持します。
MT-72![]() |
MT-128![]() |
MT-72のCOM-72Ω端子間、MT-128のCOM-128Ω端子間のインダクタンス特性です。インダクタンスは低域周波数特性に大きく影響します。インダクタンスは入力信号の大きさとアンプから漏れる直流電流値により変化します。インダクタンス値が大きく、変化が少ないほど重厚で安定感のある音質が得られます。
MT-72、MT-128のインダクタンスは小信号時から大変高く、かつ変化の少ない良好な特性です。
また重畳直流電流に対しても対抗力があり。許容値の20mAでもインダクタンスの減少は僅かです。
MT-72、MT-128の設計・製作者の雨森氏のホームページにマッチングトランスを用いた25HX5
SEPPアンプの製作例がございます。