写真右は裸の状態のRコア出力トランスです、製品は左の角型化粧ケース入りです。
形式 | プッシュプル型 |
出力容量 | 30W/40Hz |
1次巻線 | 8KΩ、UL端子(50%)有り |
2次巻線 | 6Ω |
周波数帯域 | 4Hz〜55KHz -1db、入力4V、2Rp=Zp=8KΩ |
1次インダクタンス(H) | 最小270H、最大570H |
最大1次許容DC電流 | 210mA(2本分) |
1次許容不平衡DC電流 | 5mA(2.5mA以内を推奨) |
電力損失 (6Ω負荷) | 0.2dB |
直流抵抗値 | 1次P-P間: 128Ω 2次0-6Ω間: 0.18Ω |
1次:2次間耐圧 | 2KVAC |
1次PP間最大電圧 | 1KVAC |
使用Rコア | R50 50W型コア |
形状 | 角型ケース入り、タンゴFX40、FE25シリーズと同底面寸法、 |
引き出し形式 | リード線 |
外形寸法、重量 | W:83mm, D:78mm, H:107mm, 1.5Kg |
価格 | 12,400円(税込13,640円) |
周波数特性
4Hz〜55KHz -1dbの広帯域と暴れのない素直な減衰特性が特徴です。低域再生限界は4Hzと大変優秀です。高域は300KHz付近に軽微な乱れが見られますが、低域、高域ともほぼ理想的な特性をしています。
信号源インピーダンス別周波数特性
出力トランスの周波数特性は入力信号源のインピーダンスにより変化します。一般に信号源インピーダンスが低いほど帯域は広く、信号源インピーダンスが高いほど帯域は狭くなります。下図は3極管に相当する2KΩの低い信号源インピーダンスで駆動した場合とビーム管や5極管に相当する20KΩの高い信号源インピーダンスで駆動した場合の周波数特性です。
.信号源インピーダンスにより帯域は下表のように変わります。
信号源インピーダンス | 帯域 |
8KΩ(2rp=zp) 標準 | 4Hz〜55KHz -1db |
2KΩ 3極管相当 | 1Hz〜95KHz -1db |
20KΩ ビーム管、5極管相当 | 6Hz〜40KHz -1db |
信号源インピーダンス2KΩでは大変広帯域となります。 信号源インピーダンス20KΩでは若干狭帯域となります。
信号源インピーダンスによらず暴れのない素直な減衰特性です。
位相特性
位相の回転も大変穏やかで安定した負帰還をかける事ができます。低域では1Hzにおいても進みは20度以下です。高域においても120度以上遅れ事はありません。
暴れのない特性をしています。
2次負荷別インピーダンス特性
2次負荷を6Ω、解放、短絡とした時のインピーダンス特性です。巻線間容量や漏洩インダクタンスを求めたり、シュミレータ用モデル作成の基礎データとなります。
PP型出力トランスの1次インダクタンスは低域周波数特性に大きく影響します。1次インダクタンスは入力信号の大きさと不平衡直流電流値により変化します。1次インダクタンス値が大きく、変化が少ないほど重厚で安定感のある音質が得られます。
RX-30-8の1次インダクタンスは最小270H、最大570Hと大変高く良好な特性です。広範囲で100H以上の高い値を維持しますので、良好な低域特性が得られます。
しかし、不平衡直流電流(DC重畳)に対しては大きく値が落ち込みます。実用的な最大許容値は5mAですが、Rコアの良さを引き出す為には2.5mA以下でのご使用を推奨いたします。