この写真は解説の為、蓋を開けています。内部には高電圧が掛かっている部分がありますので絶対に開けないで下さい。
同軸とTOSに加えられたデジタルオーディオ信号は96KHzサンプリング対応のDAIR
IC CS8414で受信されます。このICは32KHz〜96KHzのサンプリング周波数と16ビット〜24ビットまでのデータ長のデジタルオーディオ信号を受信できます。また優れたジッタ特性を持ち安定した音楽再生を可能としています。
デジタルからアナログへの変換を行うDAC IC にはバーブラウン社の最新版マルチビットΔΣ方式DAC
IC PCM1716を用いております。 96Kサンプリング、24bitデータを正確に再生いたします。
内蔵のデジタルフィルタは96KHzでも8fs動作をします。他の多くのデジタルフィルタICは96KHzにおいては4fs動作が殆どですので非常に優秀です。
マルチビットΔΣDA変換部は、 64fsのデシメーションフィルタ、 4次のノイズシェーパ、8レベル(3bit)DAC、の組み合わせです。3bitDACの採用により単純な1bitDACより精度、対ジッタともかなり有利になっています。
最近はModel2と同様な低bitのDACと組み合わせたマルチビットΔΣDA変換が流行です。スタジオ用として最も有名なdCS952及びその民生版のElgerも同様なマルチビットΔΣDA変換を用いております。
比べてみますと、
PCM1716(Model 2) |
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オーバーサンプリング | 64fs | 64fs(96K Sample時は32fs) |
ノイズシェーパ | 4次 | 4次 |
基本DAC | 3bitDAC | 5bitDAC |
とModel2はプロ向けのスタジオ機器にも劣らない構成となっています。
以下の7種類の読み取り及び伝送系のエラーを表示します。
Validity Bit Hi, | 読み取りエラーが起こり、前後のデータから補間した場合など 真のデータでは無い事を表します。 |
Confidence Flag | 光ケーブルや同軸ケーブルの品質が適切でなく、信号が不明瞭 |
Slipped Sample | 同期クロックに対しデータを取りこぼした事を表します。 (将来、外部同期オプションを取り付けた場合、検出されます。) |
CRC Error | 制御情報中に間違えがあります。再生音には影響しません。 |
Parity Error | データ中に間違えがあります。パリティが照合しません。 |
Bi-phase Coding Error | デジタルオーディオ信号が正しく構成されていません。 (バイフェーズ・コーディングの規則を満たしていません。) |
No Lock | デジタルオーディオ信号が入力されていないか、受信できない サンプルレートのデジタルオーディオ信号です。 |
散発的に発生しても確認できる様に一度発生すると1秒間該当LEDが点灯する様にしました。
エラーの発生回数を数える4桁のカウンタを備えており、エラーの発生頻度を確認する事ができます。
CDの傷や汚れ度合い、読み取りヘッドの好不調等、再生系の状態の把握に便利です。
エラーの発生をサンプル毎に回数を数えるとNo Lock等、纏まった範囲で発生するエラーの場合、あっと言う間にカウンタが一杯になって使いにくい事があります、その対策として連続して発生したエラーは1回と数える回路を備えています。これにより実際の音質劣化度合いをに比例したエラーカウント数を得られます。
エラー表示とエラーカウンタの回路はエラーの発生がなければ、何も動作しない完全なスタティック回路設計です。この為、正常な再生時には音質に全く影響を与えません。
DAC IC以降のアナログ回路は全て真空管で構成されます、内容はDA変換後に残る高域雑音を除去するローパスフィルタ(LPF)と出力バファです。
LPFは無帰還構成のCR2次フィルタ、出力バファは単純なカソードフォロワです。
DAC ICの出力からカソードフォロワ部までは直結回路です。音質劣化の原因となりやすいカップリングコンデンサは出力バファと出力端子の間の一個所のみとなっております。
無駄の無い簡潔な構成と無帰還回路の高い安定性が音質に良い結果をもたらしております。
真空管には高性能で実績のある6DJ8を使いています。
真空管の良さを音質に反映するには、良質な電源が必要です。Model2は半導体を用いた4つの安定化電源回路を備えています。
最新のデジタルIC、高品質のガラスエポキシ基板、大型抵抗器、大型フィルムコンデンサ、高耐圧マイカコンデンサ、金メッキピンのタイト製真空管ソケット、金メッキ削り出しRCA端子、・・・等など。高性能な部品を多用しています。